不幸の連鎖
ベテラン登山家の著者は、慎重に危険を回避しつつ、K2の頂上へと向かいます。 しかし、一つ一つでは大事故には繋がりえない、様々な偶然が 重なり合うことで、遭難へと一歩一歩近づいていきます。 そして、この手の山岳遭難には必ずある、死に行くものを見捨てることで 自らは生き抜くという、つらい決断。 それによって、遭難の淵から脱出するのです。それでも登山家はなぜ山に登るのであろうか。 それほどまでも登山には魅力があるのだろうか。 それは、経験したものにしか理解できないことなのだろうか。 そんな問いを発する一冊です。
奇跡の生還、でも伝える工夫がほしい
大量遭難事故から生還した登山家の手記です。 作者と同様に経験をつみ、豊かな技術と精神力を備え、人間的魅力にもあふれていた登山のパートナーは下山途中になくなります。この本の問題は、パートナーを悼む気持ちが強すぎて、事故のことを人に伝えようとする工夫がないことです。山に登るまえから「ああ..ジュリア」と2ページおきに嘆かれたのでは、何があったのかかえってわかりづらくなります。作者がその死の痛手から立ち直れないことは理解できますが、事故の問題点を伝えてこそ、本当に鎮魂になるのではないか、などと考えてしまいました。 以上の点を差し引いても、作者の勇気と精神力には学ぶべき点が多くあります。後半の遭難の描写はすさまじく、自然の前には人間はなすすべがないことも実感でき、わが身を正す一冊といえましょう。
死からの生還
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山と溪谷社
ソロ―単独登攀者・山野井泰史 死のクレバス―アンデス氷壁の遭難 (岩波現代文庫) そして謎は残った―伝説の登山家マロリー発見記 みんな山が大好きだった
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